新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



塾のWebページの運用戦略をAIDMAの法則に沿って考える

広告を見たお客さんの行動を分析した法則には、AIDMAの法則や電通などが提唱しているAISASの法則など、いろいろな物が存在します。
僕は単純に1番最初に知ったAIDMAの法則がシンプルで納得できたので、塾のWebページの運用などは、これに基づいて行なっています。
塾のWebページを運用するにあたり、いろいろな個人塾のWebページを見て特徴をあれこれ分析したときに、2つのことを強く感じました。
一つは折り込みチラシ的であるということです。
チラシ的とはどういうことかを説明する前に、AIDMAの法則を簡単に説明させて下さい。
先にも述べた通り、AIDMAの法則は消費者の心理過程をモデルに落とし込んだものです。
元々自社商品に興味を持っていない消費者は、Attention(注意)を引かせて、Interest(興味)を持ってもらい、その段階をみたしたらDesire(欲求)を喚起させ、自社のサービスをMemory(記憶)してもらい、最後にAction(行動)に起こすという過程を踏むというのがAIDMAの法則。
このモデルが20世紀前半で、当然Webでの宣伝なんてものは存在しませんでした。
Webページの場合、シェアされたコンテンツからの流入にしろサーチエンジンからの流入にしろ、ページにたどり着く時点で、何らかのAttention(注意)を持っていると考えられます。
そのため、Webページにおいては、この部分はいらないわけです。
一方で広告の場合は違います。
全く興味のない人の手元に自社の情報が届くため、そこで注目を惹きつけなければなりません。
だから決定的にAttentionの部分が重要になってくる。
僕が個人塾のWebページを見ていくなかで感じたのは、Webページにも関わらず、Attentionの部分に意識がいったWebページが多いということでした。
きっと、Webページを管理する責任者にチラシ広告の印象が強く入っていて、その手法のままWeb制作をしたのでしょう。
派手な告知は注目を集めるためには効果的ですが、元から興味をもってWebページを訪れてくれた人には逆効果です。
むしろ、注目の部分はバッサリと切り捨てて、Interestの部分から構築するのが効果的と言えるでしょう。

いろいろなWebページを見てもうひとつに感じたことは、塾生向けコンテンツと、興味を持って検索してくれた人向けのコンテンツが混雑しているページが多いということです。
完全に塾生向けのページとして割り切るのならば、それはそれでありだと思うのですが、集客ツールの一つとして位置づけるのなら、しっかりとコンテンツは分離しなければなりません。
この辺、僕は大手のWebページをTTP(徹底的にパクる)しました(笑)
あくまで初めてWebページを見た人が、情報を手に入れやすい。
そういった動線を引くことは、やはり重要だと思います。

最後にいろいろなWebページを見て感じたこととは別に、塾のWebページという観点から僕なりにカスタマイズしたAIDMAの法則を紹介させて下さい。
まず、それがWebページである以上、そもそも訪れた段階で興味を持ってくれているわけなので、初めのAを取り除きます。
さらに塾の性質上、興味を持った=ただちにお金を払って購入するというものでもなく、また興味を持って頂いた時点でWebページから連絡ができるため、Memory(記憶)の段階もそれほど重要ではありません。
もちろん、塾の前を通って偶然名前を思い出すという意味での記憶の効果はあるでしょう。
しかし塾というサービス上、偶然購入したくなるというケースは稀です。
したがって塾向けにAIDMAの法則をカスタマイズすると、IDAが残ります。
このうちActionは最終的に消費者の判断に委ねられるので、僕たちがWebページを運営するにあたってがんばらなければならないのは、Interesting(興味)とDesire(欲求)となる。
因みにもともと塾を探していてWebページにたどり着いた人には欲求もいりません。
欲求を喚起させる過程が必要なのは、教育関連の情報を調べていてたどり着いた消費者をターゲットにしようとしたとき。
こういったことを踏まえると、塾のWebページの戦略は①塾を探している人に届くWebページにするということと、②教育周辺の検索ワードでたどり着いて、そこから塾に行かせたいと思ってもらうWebページにするというパターンが考えられます。
因みに僕が見てきて成功しているなあと思うページのほとんどが、②の戦略をとってのいました。
多分、①の戦略はよほど上手くやらない限り、大手と食いあってしまうのだと思います。
②の戦略を取るためにInterest(興味)を持って貰えるコンテンツを増やして、塾周辺のコンテンツを見てもらう中でDesire(欲求)を膨らまして貰えるようなWebページの運営。
これが当面の僕の目標だったりします。
まだまだ研究段階なので、明確な効果は分かりませんが、地道に続けていけば、多分もう一年くらいで効果が出始めるんじゃないかと思ったりしています。

こういうの、成功してから書けばかっこいいんだろうなあ(笑)

アイキャッチ経営学を独学で勉強するときに読み込んだコトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

苦手な人が多いから、数学の集合を女の子の「好きな男性のタイプ」にして考えてみた

普段質問対応をしていると、論理と集合の部分で高校数学が嫌になるという人をよく見かけます。
このあたりから急に抽象的な考え方が登場するので、それに慣れていないと、確かに大変かもしれません。
「AかつB」(AとBの両方の要素を持っているということ)位なら大丈夫だけど、上に傍線が引かれたら分からん!なんて人も結構いるのではないでしょうか。
論理と集合は、AとかBみたいにいきなり記号で考えようとするから掴みづらいだけだったりします。
たとえば、男の子のタイプで考えたら、ずっと簡単に理解ができます。
女子トークに出てくる男の子の好みのタイプ(イケメンとお金持ち)で論理式を見ていきましょう。

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論理式をブログで書けなかったので、上の表を参考にしてください。
まず①あつこさんの好きな男のタイプで作った論理式。
「U」が下向きになっているのは、「かつ」と読み、「両方の要素を含む」ということを意味します。
あつこさんのタイプは「イケメンかつお金持ち」つまり、顔が良くてお金も持っている人が好みということになります。
現実世界で無邪気にこれを言うと、周囲にいる男どもは逃げていくので要注意です!

次に②ゆうこさんの好きな男のタイプで作った論理式です。
「U」の形になっているのは、「または」と読み、どちらかの要素を持っているという意味で使います。
ゆうこさんの好みのタイプは「イケメンまたはお金持ち」。
顔のいいビンボーでも、不細工なお金持ちでもいいけれど、どちらかは持っていて欲しいというのがゆうこさんの好みです。
もちろん両方備えている男子ならなお良し(笑)

③のまゆさんはあつこさんの好みのタイプにバー(上についた線)がついています。
この線は、「~でない」という否定の意味を表します。
この論理式を日本語にすると「イケメンでお金持ちは嫌い」となります。
「イケメンは大好きだし、お金持ちも好きだけど、両方備えている人はちょっと…」という、少し控えめな主張をしているのがまゆさん。
これ、完全に男性に(無駄な)希望を与えるタイプですね。

④のゆきさんの男性のタイプはゆうこさんの「イケメンまたはお金持ち」にバーがついています。
「イケメンかお金持ち」ではない、つまりゆきさんの好みは「イケメンでも金持ちでもない」ということになります。
どちらの要素も持っていない人がタイプってことですね。
世の中のモブ男子を勇気付ける模範解答です。
ただし、週刊誌への写真流出に注意(笑)

⑤はりのさん。
今度はイケメンとお金持ちのそれぞれの記号の上にバーがついています。
イケメンの上にバーは「イケメンでない」ということでブサイク、お金持ちにバーは「お金持ちでない」なのでビンボー。
これらを両方含む「かつ」の記号で結んでいます。
つまり、りのさんのタイプはブサイクなビンボーですね。
(厳密には「イケメンでなくてお金持ちでもない」と「ブサイクなビンボー」とはちょっと違いますので、勉強に使う場合は前者で読むようにしてください。。)
因みにこれをポジティブに言えば、④のゆきさんと同じ「イケメンでもお金持ちでもない」という意味なので、ゆきさんとりのさんの言っている好みは同じと言うことができます。

最期は⑥のみなみさん
みなみさんもイケメンとお金持ちの上にそれぞれバーが乗っています。
そして「または」の記号で結んでいる。
よってみなみさんのタイプは「イケメンでないまたはお金持ちでない」つまり、「イケメンでない人かお金持ちで無い人」となり、これは遠回しに「イケメンでさらにお金持ちっていうパーフェクトな人はちょっと。。。」といっているので、④パターン目のまゆさんと同じ主張です。
これでいくと風を受けながら革命を起こすあの人はイケメンでお金持ちなので、タイプじゃないってことになります。

因みに、ゆきさんとりのさんのタイプ、まゆさんとみなみさんのタイプが同じことを指しているというのを「ド・モルガンの法則」と言います。
こんな感じで、論理式をA、Bではなくイケメン、お金持ちで考えると、多少は理解しやすくなるのではないでしょうか。
(却って分かりにくかったらすみません。。。)
本当は「かわいくて巨乳」っていう男性バージョンも考えたのですが、笑えないくらいゲスくなってしまったので、「イケメンお金持ち」の論理式にして遊んでみました。


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「終わらない日常」の終わりを描く漫画と、「終わらない物語」を作るスマホゲーム

塾で子供達をみていると本当にスマホゲームに熱中しています。
僕自身は別に、ゲーム否定はではないので(分別付けられずにゲームばっかりやっているのは愚かだと思いますが)スマホゲームに熱中することに対する是非には興味がありません。
それでもスマホゲームについて取り上げるのは、コンテンツとしてかなり特徴的だと思うからです。
従来のプレステや任天堂が出すようなゲームには、そこにストーリーがある以上、エンディングがありました。
ゲームデータの入ったカセット自体を商品にしている以上、データ容量という物理的な制約ができるため、ストーリー物である以上、そもそもエンディングがないということなどできません。
スマホゲームが出るまでは、物理的にエンディングがないゲームなんて作れなかったわけです。
それがスマホゲームになると、データの入ったカセットを販売するというビジネスモデルとは全く異なるものになりました。
手持ちのスマホから、ゲームのデータが保存されているサーバーにアクセスしてゲームを楽しむため、運営側はどんどんデータをアップロードすることができます。
そのため、発表後にゲームの物語を伸ばすことができるようになりました。
(この辺はネットゲームでは一般的だったやり方だと思います)
別に技術やシステムの話をしたいわけではないのでこの辺に。。

こうしたビジネスモデルの違いは、作り手の意図に影響を与えます。
カセットを売るモデルの場合、作り手は早くゲームを終えてもらうようなストーリーを考えます。
次々にゲームを売り出す新たなゲームを買ってもらわなければいけないからです。
仮に圧倒的な面白さで、その作品さえあれば永遠に楽しめるみたいなゲームを作ったとしたら、ユーザーが次のゲームを買ってくれず、その会社は倒産してしまいます(笑)
ゲームデータというコンテンツを販売している以上、必ずエンディングにたどり着いて、次のゲームを買って貰えるような設計にするように意識が傾くのは必然なのです。
それに対して課金モデルをとるスマホのゲームは違います。
課金で収益を稼ぐということは、できる限り一本の作品で長く遊んで欲しいという意識が働きます。
長く遊んでもらえればその分、課金による収益が増えるからです。
つまり、収益を追求しようとすると、どうしてもエンディングのないストーリーになっていくというわけです。
カセットを売るタイプのゲームでは絶対に作るはずのない永遠に楽しめるゲームが、スマホゲームの場合はむしろ理想形といえるでしょう。

さて、スマホゲームが構造的に終わらないストーリーになるというように書いてきましたが、僕が面白いと思ったのは、そうしたゲームが人々に与える影響ではなく、むしろ終わらない物語というものが世界に入ってきたという現象です。
スマホゲームのブームと、進撃の巨人を初めとした「壁」が登場する作品のヒットが同時期にあったことが印象的でした。
進撃の巨人の1話では、巨大な壁に守られた世界で平和な暮らしをし、そんな暮らしが壊れるなど信じて疑わない市民の姿が描かれています。
そして、突然一匹の大型巨人が壁を壊すことで、その「日常」が壊される。
壁の中で平和を信じて疑わない市民とはまさに「終わらない日常」を示しています。
そして進撃の巨人はその「終わらない日常」が壊されるところから始まります。
進撃の巨人以外に、トリコやハンターハンターでもこうした「終わらない日常」の外に広がる、危険で未知の世界が描かれています。
2010年代に入って、境界の外の世界が描かれるようになってきました。
(ハンターハンターはかなり前から連載していますが、具体的に新世界が出てきたのは2010年代後半です)
これは漫画作品の中で「終わらない日常」の外に目が向けられるようになってきたとみることができます。
そして、それと同じくらいの時期に、スマホゲームの中で「終わらない物語」のゲームが登場してくる。
「終わらない日常」の終わりを描き始めた漫画の世界と、「終わらない物語」を作り始めたゲームの世界。
僕にはこの二つの関係が印象的です。

進撃の巨人で終わらない日常の終わりを突きつけられて、それに熱狂しながらも、同時に終わらない物語を提供するゲームの世界にハマって行く。
そしてマンガの話はグループを越えた共通文脈にはならないけれど、ゲームの話はグループや学校を越えて話題になる。
「終わらない物語」にハマっていく子供たちというのが、何か現代の社会を象徴しているように感じます。

アイキャッチ山田玲司先生の「見下すことからはじめよう」
最近玲司先生ばっか。。

見下すことからはじめよう

見下すことからはじめよう

リーダーを、集めるメンバーの傾向から4つに分けてみた

今月はなぜかいろんな人、それも組織を束ねる気質の人と話す機会に恵まれて、あれこれ気になることを話してきました。
その中で僕が興味深かったのはリーダーとなる人の気質によって、好む部下のタイプが全く違うということでした。
それぞれの人が推す人材を聞くと、普段付き合っている本人の性格以上にその人の特徴を示しているように感じました。
僕が感じた限りの、リーダー気質の人がそれぞれ好むタイプは以下の通りでした。
①自分のファンを集めるアーティスト型
②アベレージの高い部下気質を集める特殊部隊型
③様々なタイプを集める珍獣ハンター型
④自分に共感した人を集める信者集客型
僕が考えるそれぞれの強みと弱点をまとめてみようと思います。

①自分のファンを集めるアーティスト型

ここに属するリーダー気質の人は、自分のキャラクターに惹きつけられた人を好む傾向があります。
自分の意見や活動の前に、この人のことが好きだから。
そういった人を好んで近くに置くのがこのタイプ。
アーティスト型の人は、自分という存在を空いてくれているからこそ、他の属性の人とは比べものにならないほど、自分に寄ってきた人を大切にします。
だからこそ、組織の絆は強くなりやすい。
反対に、「個人の魅力」に由来しすぎているから、その人がトップの立ち位置から離れると、全てが機能しなくなります。
また、自分のキャラクターに寄せた人を集めるから、意思決定が論理より感覚に傾きがち。
強靭な組織になる一方で、全てのトリガーがトップの魅力に集約されているというのがここに属するリーダーの特性です。


②アベレージの高い部下気質を集める特殊部隊型

ここに属するリーダー気質を有する人は、とにかく人の基本スペックを重視します。
総合値が高い人材を好むし、またそういった人材を惹きつける魅力がある。
個々人のスペックが高い人を集めるため、当然多くの仕事において上手くまわります。
さらに、司令塔である本人の指示が加われば、その作業能率は計り知れません。
典型的な組織を回す上で、実務面を考えた時に一番強いのが、このタイプのリーダー。
一方で、元からアベレージの高い人間を集めるため、長期的に見ると頭打ちになるというデメリットがあります。
基本スペックが高い人を集めるということは、同時に人材の伸び率が低いということです。
また、全ての基準値が平均して高いということは、突出した才能に巡り会いづらいということでもあります。
そのため、スタート時は個々の実力もありトップを爆進できますが、長期的には強みにならないどころか、弱みになることもあるわけです。
これが特殊部隊型の強みと弱み


③様々なタイプを集める珍獣ハンター型

ここに属する人は、好んで組織に適合しないような人材を集めます。
空気を読まない人、他全てがダメだけれど、ある一点が飛び抜けている。
そういった使い勝手の悪いカードを揃えて勝負したがるのがこのタイプ。
変わり種ばかりを選ぶため、リーダーのカードの切り方次第で大化けする可能性があります。
また色々な系統が集まるため多様性が生まれやすい。
クリエイティブで面白い組織が生まれがちです。
一方でこのタイプのリーダーは、仕事を一人で行いがち。
「仮にその人ができなくても自分がやればいい」と思うから、変わった人をどんどん懐に抱えることができるのです。
自分がやればいいというのは、裏を返せば自分一人のスペックを越える仕事はできないということです。
そのためここに属するリーダーシップを持った人の組織は、スケールしづらいという決定があります。


④自分に共感した人を集める信者集客型

最後の信者集客型は、一見すると①のアーティスト型に似ていますが、アーティスト型が自分のキャラクターに惹きつけられる人を選ぶのに対して、この属性のリーダーは自分の思想に惹きつけられる人を好みます。
どんなに自分のことを慕ってくれていても、それが自分の「考え方」に対して出ない場合、興味を持ちません。
このタイプのリーダーの最大の強みは突破力のあること。
自分の考え方に共感を持った人、自分に近い人が集まりやすいため突破力が生まれます。
一方で、近い考え方の人が集まるということは、その分一旦おかしな方向に進み始めると軌道修正が効かなくなります。
信者集客型の最大の弱点は、暴走しやすいということです。


どのタイプのリーダーであっても一長一短があるため、この④分類に優劣はありません。
ただ、この分類で見ておくと、自分が組織を回すときに気をつけることが分かります。
また、他の人と一緒に進めるプロジェクトがあったとき、自分のポジションが分かれば、どういう人と組めば弱点を補うことができるのかがわかります。
そういった使い方のためにつくった、リーダーの人集め傾向4分類です。
今後少しずつブラッシュアップしていけたらと思います。

アイキャッチたかみなのリーダー論
リーダー論 (講談社AKB48新書)

ゲームのルールが変わるとということ

もちろん人によって、何に注目するのかというその人の見方によって、解釈に違いがあると思いますが、僕は革命という言葉の定義を、「ゲームのルールが変わること」と考えています。
それまでの社会のルールとは全然違うルールで新たな社会が回るようになる。
振り返ってこの転換点になっている部分のことを「革命」というのだとボクは考えています。

例えば、農業革命以前であれば、腕っ節の強い、狩猟が得意な人が勝つという「ゲームのルール」でした。
定期的な収穫も十分な備蓄も無い世界では、明日の食料をしっかり確保できることが何よりも重要だからです。
農業革命が起こると、このルールが変わります。
農業をするようになって、ある程度安定した収穫が入るようになると、腕っ節の強い人が活躍できる社会ではなくなります。
農業が始まって一番重要なことは、安定して収穫ができることです。
そのため、仲間をしっかりと治めてくれる人、そして日照りや干害を防いでくれる占い師のような人々が強いというルールになるわけです。
農業革命の前後で、腕っ節の強い人が偉いというルールから、農業に安定をもたらしてくれる人が偉いというルールの書き換えが起こっています。
市民革命では、貴族が偉いというルールから市民の指示を得た人が偉いというルールになっているし、産業革命なら、たくさん生産できる職人芸を持っている人が偉いというルールから土地やお金を持っている人が偉いというルールに変わっています。
僕は、このルールの書き換えが、「革命」の根本だと思っています。

では、新しい革命があったときに、次のルールで勝ちになるのは誰なのか。
歴史を後から振り返ればはっきりと誰から誰に「強さ」が移ったのかは分かりますが、それを当事者として予測することは極めて困難です。
しかし、一つだけ分かっていることがあります。
それは、新たなルールに書き換わるタイミングでは、それまで一番優位なポジションにいたものが引き摺り下ろされるということ。
ここだけは常に変わらない。
であれば、革命が起こっていると感じる社会においては、そのポジションに自分がいないことが、次のルールの中で勝ち残るための有効な戦略になってきます。

現在は農業革命、産業革命に次ぐ、IT革命という第三の革命が起こっているといわれていますが、新しいルールの中では、どういった生き残って、どういった人が衰退していくのか。
さきほども書いたように、勝ち残る側を予想することはできませんが、衰退していく側を予想することは可能です。
つまり、新たなルールが引かれたときにできたシステムで、現在構造的な優位性を持っているものを探せばいいわけです。
僕は日本において新たなルールが引かれたのは、終戦のときだと思っています。
そして、一定のシステムが完成したのが高度経済成長のころ。
ここまでの期間で作られたシステムのうち、明らかに肥大化したシステムが、IT革命によって一番を受けることになるはずです。
で、僕の頭に真っ先に思いつくのが、年功序列と終身雇用という2つの制度です。
30年の住宅ローンにしろ、奨学金にしろ、これらのシステムが前提となっているからこそ、当たり前のように僕たちは受け入れていますが、もし「一度就職さえすれば定年まで安泰」という前提がくずれたらどうでしょうか。
恐らく、何年もかけてお金を払い続けるなんていう「リスキー」なこと、なかなか選べなくなるように思います。
しかし、普段の生活で僕たちはそんなこと意識もしません。
それくらい年功序列と終身雇用は今の社会の底のほうに根付いているということです。
だからこそ、ルールが変わったときに真っ先に崩れる可能性が高い。

この十年を振り返って、明らかに社会のシステムは変化しているように思います。
始めは生活の一部分にしか影響がなかったものが、やがて仕事の仕方に影響を与えるようになりました。
パソコンの普及なんてその象徴です。
SNSが普及すると、僕たちの友達関係のあり方に影響を与え始めました。
そしてSNSで誰とでもつながれるようになったことや、ウェブを通じて情報発信ができるようになったこと。
あるいはクラウドファンディングなどができたことで、「有能な人」はいくらでも仕事の可能性が広がっています。
僕は肌感覚で、とりわけこの数年ITによって外堀が埋められていっているように感じます。
現在のルールの中でうまく立ち振舞って(そうしないとそもそも生活できないので)、かつ新たなルールに移行したときに適応できるポジション取りをしておく。
今の20~30代くらいの僕たちは、かなり面倒な、裏返せば面白い立ちいちにあるように思います。


アイキャッチ岡田斗司夫さんの評価経済社会

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

就活生はネクタイやスーツの色にこだわるくらいならシャツのアイロンを気にした方がいい

「130人いた中で記憶に残ったのは1人でしたね。」
昨日久しぶりに会ったお友達から就活の説明会の話を聞いたときに、こんなことをいっていました。
説明会やインターンで学生と会って、どんな人が目に止まるかとか、どういう基準で学生を見ているかとか、そういった話を根掘り葉掘り聞けて、とても面白かったです。
その中でなるほどって思ったことを幾つか紹介します。

「やっぱり喋らな分からんのですよ」

彼が1番大きな声で言っていたのがコレ。
説明会ならともかく、面接やインターンとかでこちらから話を振っているのに喋ろうとしない子が多いのだそう。
おそらくしっかり振舞わなければいけないと思って言葉を選んでいるのだろうけれど、それだとそもそも頭がキレるのかも分からない。
だから、とにかく喋ろうとして欲しいのだそうです。
まあ、これだと喋った瞬間に馬鹿がバレる(笑)ような人だと喋らないのが正解なのかもしれませんが、確かに喋らなければそもそも相手に査定してももらえないので、やはり無口は良くないような気がします。
因みにここでいう「喋る」とは、用意してきた定型句ではなく、その場で考えて話すという意味です。


「鋭い質問がくると名前は覚えてないけどやっぱり目に止まる」

説明会の最後の質問で、1人凄く印象に残った学生がいたということです。
その学生の質問は「10年後にはどんな働き方をしていると考えていますか」というもの。
これだけだとありきたりな質問です。
しかし、彼の会社では、年度の初めに10年後のビジョンを全社員が書いて提出しているのだそう。
そこへ来てのこの質問。
後の面接で志望動機を聞かれたときに「御社は年度の初めに社員全員が10年後のビジョンを立てると聞いて、説明会で尋ねたら本当にビジョンを答えてくれた。言葉だけでなくそれを実行している社風が気に入った」とかひと言付け加えたら、ちょっと違うなって思ってもらえるのではないでしょうか。


「面接官に質問して、それをパクって使えばいい」

ここからは少し実用的なお話。
彼は学生から質問をされると、その子が自分の志望動機を考える上で助けになるような解答を心がけているそうです。
で、そんな彼が、「今の俺が新卒で就職活動をするなら会社の説明会行きまくってそこで本命のエントリーシートにあるような質問を説明会にいる社員にします。それで返ってきた文面を参考に書く。」と言っていました。
社会のことを何も知らない学生が頭で捻るより、自分の行きたい会社やその関連会社の社員の言った言葉の方が的を得ているに決まってるとのこと。
確かになあと思いました。
少なくとも彼は質問されたとき、そうやって使ってもらえそうな返し方をするそうです。


「ネクタイやスーツの色とかだったら、まだシャツにアイロンがかかっているかの方が見る」

これもなるほどなあと思いました。
彼の本業は営業職。
そもそもネクタイやスーツの色は気にしない(「そんなことよりどんなやつか知りたい」のだそう)けれど、強いて言うならシャツにアイロンがかかっているかの方がまだ気になると言っていて、これも大きく納得しました。
スーツの色やネクタイなんて、選んだ時点で終わりで、そこに「個」は出ませんが、毎回の作業であるシャツにアイロンをかけているかどうかには、その人の性格が現れます。
ネクタイの色なんかで悩むくらいならアイロンしっかりかけた方がまだいいと言っていました(笑)


ちょうど社会人3年目の友だちが増えて、少しずつ重要なポジションに付く人が出てきています。
で、そういう人たちの話はやっぱり楽しいです。
とりわけ、就活生を見る人事としての視点はなるほど!って思うことがいっぱいです。
就活本に「ネクタイの色は○○がいい」とか書いてあってもなんで?って思うのですが、シャツのアイロンはかけた方がいいっているのは理屈が通っていて納得できます。
こういった、採用目線の理屈が通った就活話は、他にも聞いてたくさん溜まってきているので、定期的に書いていこうかなと思います。
採用担当のインタビューシリーズとか作ろうかな(笑)

アイキャッチは就活って調べて一番上に出てきた本

受かる! 面接力養成シート

受かる! 面接力養成シート

人事が思わず読みたくなるESの書き方⑤話ベタはONE PIECEのあらすじを説明できない

 自己PRをする上で、自分の話をうまく伝えられるかどうかが非常に重要になってきます。

たとえどんなにすごいエピソードを持っていたとしても、それの伝え方が悪ければ、十分に相手に理解してもらえないからです。
自分の言いたいことを50%の精度でしか伝えられない人は、仮に90点の経験をしていたとしても、相手に伝わるのは45点ぶんです。
逆に50点分の経験しかしていない人でも、100%自分の言いたいことを伝えることができる人の場合、相手に伝わる情報量としては50点となり、90点の経験をしている人を結果として上回ることができるのです。
一般にコミュニケーション能力が高いといわれる人はここに属します。
自分では凄いと思っているのに一次選考の段階で落ちてしまうとか、自分ではしっかり言いたいことが言えたと思っているのになぜか試験管に刺さらないということにこころあたりがある人は、たぶんここで躓いています。

伝え方で重要なものは「顧客視点」と「要約力」です。
顧客視点とは、自分が何を話したいかではなく、相手が何を求めているのかを考える能力のこと。
こちらはこれまでの内容でずっと書いてきたので今回は置いておきます。
今回のメインは後者の要約力です。
顧客視点が身についており、相手が何を聞きたいのかが分かっても、その内容を伝えるときに、適切な情報を適切な角度から、適切な長さで話すことができなければ、相手に伝わりません。
この、「適切さ」を意識する力のことを、僕は要約力と呼んでいます。

たとえば、ワンピースをざっくり要約して語って欲しいといわれたとき、皆さんならどういう切り口で話すでしょうか。
僕は、この話し初めの方法で、その人に要約力があるかないかは大体見当がつくと思っています。
要約が苦手な人は、前から時系列で話してしまうのです。
ワンピースの面白さを教えてよって言われて、シャンクス(主人公ルフィが幼少期に影響を受けた海賊)の話から説明を始める人は、たぶん要約が苦手(笑)
確かにルフィとシャンクスの出会いは感動するシーンではあるのですが、話の筋ではありません。
要約とはそれを聞いて全体像がつかめるもののこと。
ワンピースは、現時点で80巻以上出ています。
お話の数も2016年4月23日現在で800話以上。
それを、一話のシャンクスとの出会いから話したら、膨大な分量になってしまいます。
要約である以上、自分の好きなシーンや感動する場面でなく、あくまで話の筋を意識しなければいけないのです。

こうしたことを踏まえて僕がざっくりワンピースの内容を説明するとしたら、話し始めはおそらく「主人公のルフィと言う少年が、冒険を通して仲間を集め、海賊王を目指すお話」と言います。
ゾロやサンジ、チョッパーやナミといった仲間の名前は一切無し。
ワンピースという幻の大秘宝の名前もゴールド・ロジャーという大海賊も説明しません。
ここから文字制限に応じて少しずつ詳しい説明を加えていきますが、それでもルフィ以外の固有名詞が出てくるのはしばらくたってからでしょう。

話の筋を追う練習をするには、いったん時系列に書き出すことが重要です。
マンガの場合はそのまま時系列になっているので構いませんが、エントリーシートの場合、そもそも「原本」がないため、いきなり筋を追うなんてできません。
いったん、説明したいことを全て時系列でノートに書き出してみてください。
全然書けないという人は、自己PRを録音してそれを書き起こすのがいいでしょう。
一番効果的なのは、面接をこっそりボイスレコーダーで録音すること。
実際に面接官と話すとき、自分がどのような順番で話しているのかがわかるためお勧めです。
また、声のトーンやどのような質問にどう返したかということも客観視することもできます。
書き出すなり録音するなりして、自分の話を時系列に並べることができたら、そこから、全体像を説明するために欠かせない筋を追っていきます。
それを元に情報を並べ直す。
このような手順で一度自己PRを「編集」することで、冗長で伝わりにくい文章が、伝わりやすい、しっかりとようやくされた文章になるわけです。
要約力に自信がないという人は、是非試してみてください。

アイキャッチはむしろ就活生が読んだらいいと思う面接本

良い人材を見抜く採用面接ポイント

良い人材を見抜く採用面接ポイント