先日、僕はこのブログ(https://column-usukuti.hatenadiary.jp/entry/2019/10/15/143206)で、居酒屋のカウンターやスナックでお客さんや店員さんにとにかく上から目線でアドバイスをしたがる、「慕われ難民おじさん」について書きました。
彼らは人からアドバイスを求められたら、相談されたりしたいのだけど、とにかく年下から慕われない。
だからそういうお店で(相手が求めてもいない)アドバイスをしたがります(笑)
ここでいつもの僕のパターンであれば、慕われ難民おじさんに出会ってしまった時の若者の対応方法でも書いていく所なのですが、よく考えたらそれは以前「超攻撃的太鼓持ちのススメ」という連載エントリで、頼んでもいないのにアドバイスをしてくる人は、①言ったふりアタック、②教えてくださいレシーブ、③大丈夫ですブロックの3つを駆使すれば対応できますみたいに書いたなあということを思い出しました。
興味があればこちらを読んでみてください。(https://column-usukuti.hatenadiary.jp/entry/2019/05/07/110538)
というわけで、たまにはおじさん側の視点に立つのもいいんじゃないかなと思ったので、今回はアドバイスをしたり相談に乗ったりということをしたいのに求められない、「愛され難民おじさん」の脱出方法について考えてみようと思います。
愛されおじさんになるための3つの基本スキル
以前、隠れ家的なウイスキーバーを見つけた時、とても良いお店だったのでマスターに「僕の上司がウイスキー大好きなんで今度一緒に来ます」と言ったら、とても驚かれたことがありました。
普通、上司と飲みに行くのは嫌な人が多いのだそう(隣に座っていた常連さん談)
僕には倍以上離れた上司(仕事仲間?)がいるのですが、普段から一緒にお酒を飲んだり、趣味の話をしたりしているので、そもそも「上司と飲むのが嫌」という感覚が分からず、新鮮な発見でした。
これは決して、僕が年上と飲むのが得意みたいなことを言いたいのではありません。
僕が上司に何も気を使わず接することができゆのは、明らかに上司のコミュニケーションが優れているからです。
その人(たち)は、他の人からも慕われていますし、なんなら卒業して結婚したかつての教え子まで相談に来たりします(笑)
年齢は離れているけれど、目線はいつも若い人と同じで、そのくせ年下からの信頼が絶大で困りごとの相談を受ける。
「慕われ難民おじさん」がいる一方で、このような年上の方も多くいます。
こうした方のコミュニケーションの仕方を観察している中で、年下に愛される人に共通することを見つけました。
そして、それを元に作った「慕われ難民おじさん」を脱出のために必要なテクニックが、次の3つです。
①自分の主張は消費税分
②デフォルトのスマイル
③ありがとうの増し増し
年下から信頼される、いわば「愛されおじさん」は、例外なく上の3つが優れているように思います。
言いたい事や、自分なりの考えはあるけれど、いったんそれを抑えて相手の話を引き受ける。
あるいは、どうしても伝えなければならない耳の痛い事などがあった時は、面白さや優しさのオブラートに包む。
年下に慕われる人は言いたい事をそのまま出したときに相手に与える威圧感を知っているため、きちんとセーブしてこちらに伝えてくれます。
それが、僕にはだいたい言いたい事の10%くらいに抑えている印象だったので、①で自分の主張は消費税としました。
次のデフォルトのスマイルは説明は不要でしょう。
年下に愛される人は、とにかく終始ニコニコしてくれています。
終日の連勤&残業で明らかに疲れているはずなのに、決して笑顔を絶やさない。
そんなスタンスがデフォルトになっている人は、やっぱりみんなに好かれます。
笑顔を絶やさないからこそ、安心して話しかけられるんですよね。
③のありがとうの増し増しも説明不要でしょう。
愛される年上の人は、とにかく小さなありがとうを欠かしません。
ホチキスを取ってくれたらありがとう。
掃除をしてくれたらありがとう。
ビールのお代わりを頼んでくれたらありがとう。
etc...
こうした、いわゆる「年下の仕事」とみなされがちな細かな部分に対してもありがとうと言ってくれる。
そうなると、それをした側としてもとても気持ちが良く、こちらとしては当たり前と思っている作業に対して感謝を示してくれることで、その度に好感度が上がっていくわけです。
慕われ難民おじさんを脱するために
こんな風に書くと、「なんで年下にそんな気を使わなあかんねん」と思うかもしれません。
でも、その姿勢が生み出した結果が「慕われ難民おじさん」という症状なわけです(笑)
「慕われ難民おじさん」を脱したければまず、「気を使わなアカン」と思う前に、「現状のコミュニケーションでは年下に多大な気を使わせている」という事実に気づかなければなりません。
こちらは当たり前の接し方をしていると思っていても、その「当たり前」がそもそも周囲の莫大な気遣いの上に成り立っているものなのです。
愛されおじさんに生まれ変わるには、まずはその気配りの借金を減らしていくことが必要です。
上にあげた①〜③は、こちらから相手に与える贈与的な気遣いなのではなく、いわば借金の返済的な気遣いなのです(笑)
①〜③を意識して、周囲がそれまでしていた気遣いが解消されたとき、恐らく一気にその人への信頼が集まります。
気遣いが負債から貯蓄に転換した状態。
こらこそが愛されおじさんという状態なのです。
もし愛されおじさんになりたいと思っている、慕われ難民おじさんがいたら、これを試してみて下さい。
(このブログの読者層にはあまりいないかもしれませんが)