居酒屋のバーカウンターなどで飲んでいると、たまに求めてもいないのに上から目線で的外れなアドバイスをしてくるおじさんに出会います。
僕はそういう絡み自体が面白いのでニヤニヤしながら話を続けてしまうのですが、マスターやママさんと話をしにきている時に絡まれたりすると少し迷惑です。
そんな人は「そもそも『解決』が前提ってなんなん?そんなに問題解きたきゃくもんいけよ」と一蹴してしまえばお終いなわけですが、馴染みのお店だったり、相手が年上だったりすると、バッサリ一刀両断するわけにもいきません。
僕はこうした、相談をするとやたらとアドバイスをしたがる人のことを「教えてあげるよおじさん」と呼んでいるのですが、彼らは真正面から相手をするとなかなか大変です。
角が立たないけどサラッといなせる方法はないか?
そんなことを考えてながらいろいろな人を観察していると、何人かやたらと「教えてあげるよおじさん」を捌くのが上手い人たちを見つけました。
彼らの会話にはいくつか共通点がある。
というわけで、今回は僕がいろいろな人たちのコミュニケーションの仕方を見ていて有効だなと感じた「教えてあげるよおじさん」の攻略法を3つまとめたいと思います。
「教えてあげるよおじさん」とのアドバイス欲しいでしょラリーに勝つ方法
僕が「教えてあげるよおじさん」の捌きが上手い人を見ていて特に有効だと感じた方法は次の3つです。
壱ノ型 うなずきトス
弐ノ型 実はこんな事もあってボレー
参ノ型 詳しく聞かせてドライブ
「教えてあげるよおじさん」とのコミュニケーションは持久戦です。
別に勝ち負けをつけたいわけではないので、のらりくらりと会話を楽しむ事自体が大切。
そのための有効な方法が上に挙げた3つの型です。
壱ノ型 あえて相手を乗せる「うなずきトス」
教えてあげるよおじさんを手なづけるのに有効なコミュニケーション方法の一つ目は「うなずきトス」です。
うなずきトスとは、とりあえず相手のアドバイスに(仮に的外れでも)大きくうなずいて、相手を話のオチに向かわせてあげる方法です。
教えてあげるよコミュニケーションの大変さは、ダラダラと会話のラリーが続き、(しかも大抵はこちらが振り回され)、消費することです。
そのようにコート上を左右に振り回されて体力を消費するくらいならいっそトスを上げて相手にフィニッシュを決めさせてしまった方がいい場合があります。
そんなときにつかうのが、このうなずきトスなわけです。
大きくうなずいて、全面同意の意を示し、そのまま話を終わりに持っていってしまう。
こういう方向に持っていきたい時に有効です。
弐ノ型 関係ないエピソードの連発で相手を翻弄する「実はこんな事もあってボレー」
実際に教えてあげるよおじさんと話す場面で最も多用することになるのが「実はこんな事もあってボレー」でしょう。
これは、相手が「じゃあこうすればいいでしょ?」とどんどん詰めてきた時に、「でもこんな事もあって...」と、全く関係ないエピソードを、さも関係しているようにどんどんぶっ込んでいく方法です。
こうすると、教えてあげるよおじさんは、新たに出てきたエピソードの解決策を考えるために、新たな話を用意しなければなりません。
そのため、クドクドと説教くさいラリーに持ち込まれるのを防ぐ事が可能です。
また、こちらはエピソードを一言発すればいいだけなのに対して、相手はその都度頭を使って返しを考えなければいけません。
(ちょうどハライチの漫才における澤部さんみたいな感じ)
ゆっくりじっくり相手の興味を晒したい時に有効なのが弐ノ型
参ノ型 大口を叩いた懐に攻め入る「詳しく聞かせてドライブ」
最後の「詳しく聞かせてドライブ」は、相手をこちらから話を終わらせようとする時に有効なコミュニケーション手段です。
教えてあげるよおじさんは、総じて人にアドバイスをしているときは気分良さそうにしています。
まして相手がたくさん頷いてずっと付き合ってくれたら尚更です。
そんな会話を続けていると、人は誰でも気が大きくなり、エピソードを盛ったり、大げさに話したりと、大口を叩くようになります。
そんな時にすっと相手の懐に攻め入り一気に話をたたみにいく方法が「詳しく聞かせてドライブ」です。
例えば教えてあげるよおじさんが「俺も○○だったから、同じようにやればいいよ」みたいに言ってきたとき、「えっ、凄いですね!参考にしたいのでもっと詳しく教えてください」という感じです。
そこまでの話の運びで話が大きくなってしまっている手前、そこでの具体的なエピソードはショボいものになりがちです。
だから、「急な具体例」を求めると、とたんに歯切れが悪くなる。
こうすることで別の話題に切り替えたり、話を終わらせたらすることができるわけです。
これが参ノ型「詳しく聞かせてドライブ」
おわりに
もちろん、相手は好意で話してくれているわけですし、中には実際に役に立つアドバイスが多いのかもしれません。
しかし、大前提として受け手の心境としては、そもそも「あなたのアドバイスは求めていない」なわけです(笑)
とはいえそんな気持ちをどストレートにいうのも憚られる。
このようなシチュエーションになったときは、ぜひ上に挙げた3つの型を試してみてください。