新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



就活で面接官が読みたくなるエントリーシートの書き方④メンタルをロジックで切らない

 

メンタルをロジックで切ってはいけない

漫画家の山田玲司先生が言っていた言葉です。
自己PR文を書く上での心構えが、このひとことに全て詰まっているように思います。
僕が自己PR文を書く上で一貫して大切だと考えていることは、「人に読んでもらう」ことを想定した文章を書くということです。
どうしても自己PRといわれると「自分の言いたいこと」を書いてしまいがちです。
自分が言いたいことを並べるとどうしても活躍した記録や肩書き、得点や受賞歴みたいなものを強調したくなってしまう。
そして、そこにたどり着くまでの客観的な事実を論理的に並べようとしてしまいがちです。

私は粘り強い性格→部活動に入って周りのレベルの高さに驚いた→陰で必死に努力した→レギュラーに選ばれて大会に出場→体格やポテンシャルでは劣る自分にしかできない役割を探した→自分なりのやり方でチームに貢献→その貢献が認められ部長に選ばれる→大会で初のベスト4
こんな感じのプロットの文章を考えて見てください。
嘘くさいと感じたり、よくある話と感じたりいろいろだと思いますが、何より興味がわかなかったはずです(笑)
その一番の理由は、行動のきっかけになっただろう感情の変化が全て抜け落ちているからです。


広告コピーは読み手の感情に訴える  

うまいなと思う広告のコピーは、例外なく感情に訴えるような文面をしています。
僕たちはよほど興味を持っているものでない限り、論理的な説明されたところで納得したり、印象に残ったりはしません。
コンビニに行って一通り商品のコピーを見回してみてください。
おそらく印象に残るのは感情に訴えるようなものだけであるはずです。
自己PRもほとんど同じです。
何枚もある志願理由書、あるいは何人もいる同じ属性の人のアピールで印象に残るのは「感情」に訴えられたものなのです。
もちろんよほどの話術や文章力がある人はこの限りではありません。
文章の尺はどの位にするか、どんな展開、どんな言葉選びをしたら読みやすいか、そして読んでいる人がどの部分で興味を持って、どこで集中力を切らすか。
そういったことを想定して話を組み立てられるならば論理的な組み立てでもいいかもしれませんが、ふつうはそんな技術を持っていないと思うので、感情を前面に押し出すのが得策です。


感情のある文章のプロット作り①喜怒哀楽で分類する

先ほど例で書いた事実を並べただけのプロットから、感情を前面に押したプロットを組み立ててみたいと思います。
まず、それぞれ箇条書きにした内容の横に「喜・怒・哀・楽」で感情を書いてください。
「私は粘り強い性格→部活に入って周りのレベルの高さに驚いた(哀)→陰で必死に努力した(怒)→レギュラーに選ばれて大会に出場(喜)→体格やポテンシャルでは劣る自分にしかできない役割を探した(哀)→自分なりのやり方でチームに貢献(楽)→その貢献が認められ部長に選ばれる(喜)→大会で初のベスト4」
こんな感じです。
ポイントは「言葉で書こうとしない」ことと、分けづらくても大まかに分類することです。
言葉でその時の気持ちを書こうとすると、どうしても理屈っぽくなってしまいます。
また「悔しい」や「驚いた」などの気持ちも書き出して細分化していくと、自分の感情のトリガーが見えづらくなってしまいます。
そうしたことを防ぐために、まずはあえて喜怒哀楽だけで大雑把に感情を分類すること大切です。


感情のある文章のプロット作り②感情の理由を書き出す

「喜怒哀楽」でそれぞれの内容を分類できたら次は、なぜその感情を感じたのかを書き出します。
たとえば「周りのレベルの高さに驚いた」を(哀)と表したのなら、なぜ「喜」でも「楽」でもなく(哀)なのかを考えます。
「正直高校までは自分の実力に自信があり才能があると思っていたのに、大学で井の中の蛙であることを知ったから哀しい」のかもしれませんし、「今までと方針や目標が全く違ったから哀しい」のかもしれません。
それぞれの感情表現を選んだ理由を考えます。
・「周りのレベルの高さに驚いた」=(哀)=「正直高校までは自分の実力に自信があり才能があると思っていたのに、大学で井の中の蛙であることを知ったから」
・「陰で必死に努力した」¬=(怒)=「才能で負けているなんて認めたくなかったから」
・「レギュラーに選ばれて大会に出場」=(喜)=「周りに実力で自分を認めさせることができたから」
・「体格やポテンシャルでは劣る自分にしかできない役割を探した」=(哀)=「どうしても越えられない壁を知ってしまったから」
・「自分なりのやり方でチームに貢献」=(楽)=「競争で勝つのではなく自分にしかできないポジションがあることを知ったから」
・「その貢献が認められ部長に選ばれる」=(喜)=「以前とは違うやり方で皆に認めてもらえたから」
先の例ならこんなかんじでしょうか。

感情のある文章のプロット作り③感情の理由を繋げる

それぞれの感情の理由が書けたら語尾の「~から」をとってそれらを並べます。
「正直高校までは自分の実力に自信があり才能があると思っていたのに、大学で井の中の蛙であることを知った」
→「才能で負けているなんて認めたくなかった」
→「周りに実力で自分を認めさせることができた」
→「どうしても越えられない壁を知ってしまった」
→「競争で勝つのではなく自分にしかできないポジションがあることを知った」
→「以前とは違うやり方で皆に認めてもらえた」
これで感情を前面に押し出したプロットが完成します。
これをもとに今度は情報を付け加えていく。
そうすれば、今までよりもはるかに相手の印象に残る自己PR文ができるはずです。
「メンタルをロジックで切ってはいけない」をキーワードに、文章のプロットを作ってみて下さい。
構成篇は以上です。
次は「内容の詰まった文章の書き方」を書きたいと思います。

 

アイキャッチ山田玲司先生の美大受験戦記アリエネ

 

 

 

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